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![横浜みなとみらい「日本丸メモリアルパーク」の帆船日本丸と展示ドックを紹介](https://musashi.mikeneko.site/wp-content/uploads/2025/01/nihonmaru-dock-800x450.jpg)
横浜のみなとみらい地区と言えば、横浜ランドマークタワーやグランド・インターコンチネンタルホテルといったシンボルとなる建物や、コスモワールドをはじめ娯楽やショッピング、グルメで楽しめるスポットとして有名ですが、ここはかつては横浜造船所があった跡地でもあることから、産業遺産、産業文化財の一部を楽しむこともできます。
今回は、横浜みなとみらい地区の「日本丸メモリアルパーク」で展示されている「帆船日本丸」と、その展示ドックとなる「旧横浜船渠第1号及び第2号ドック」についてご紹介いたします。
日本丸メモリアルパークの展示ドックについて
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かつてこの日本丸メモリアルパーク付近一帯には横浜船渠株式会社(後の三菱重工業横浜造船所)の造船所がありました。現在の横浜ランドマークタワー及びその付属施設は、この造船所の移転跡地に建設されたものです。
横浜船渠株式会社には3つのドックがありました。第1号ドック、第2号ドック、第3号ドックです。現在、第3号ドックは埋め立てられて現存しませんが、第1号及び第2号ドックは現存し、民営のものとしては現存最古の石造乾船渠(ドライドック)だそうで、いずれも重要文化財の指定を受けています。このうち第1号ドックは帆船日本丸の展示ドックとなっています。
第2号ドック「旧横浜船渠第2号ドック」について
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順番は前後しますが、まず第2号ドック「旧横浜船渠第2号ドック」から紹介します。
この第2号ドック、すなわち「旧横浜船渠第2号ドック」は、現在は横浜ランドマークタワー横の付属施設である”ドックヤードガーデン”として保存・活用されています。ドック内は、自由に立ち入って見学できるようになっているだけでなく(入場無料)、イベントスペースやオープンテラスとしても利用されています。
また、ドックの地下部分周囲にはレストラン街などの商業エリアが構築されており、グルメやショッピングを楽しみながら産業遺産に触れることのできる施設となっています。
このドックヤードガーデンは、みなとみらい線の「みなとみらい駅」からは徒歩5分、JR・市営地下鉄の「桜木町駅」からは動く歩道で徒歩5分ほどとなります。みなとみらい駅からは、上の地図のとおり、駅改札を出て、建物内を通り外に出ずに行くことも可能ですが、一旦、海側の「さくら通り」に出て、この通りを横浜ランドマークタワーを目印にまっすぐ歩いて行くのがわかりやすいと思います。
ドックヤードガーデン(=旧横浜船渠第2号ドック)は、さすが大型船を建造していたドックだけあって、とにかくスケールが大きい空間に驚きです。有名なところでは横浜の山下公園に係留・展示されている「氷川丸」がここで建造されたそうですから、巨大なドックの大きさも頷けます。
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その他にも、「秩父丸」や「第一青函丸」、そして大日本帝国海軍の軽巡洋艦「那珂」、練習巡洋艦「香取」と「鹿島」、軽空母「龍驤」、駆逐艦「白雪」と、各種の艦艇がここで建造されました。日本の産業発展のみならず国防をも担ってきた、そんな誇らしい歴史をもっているのですね。今はなき艦艇たちが生まれたこの空間を、長い時間を経てこうして共有できたことはとても感慨深いものがあります。
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ドックの巨大な壁面は石垣造りです。石材は神奈川県真鶴町産の小松石とされていますが、江戸城の石垣などにも使われたものと同じ石材だそうです。まるでお城の石垣を見ているような感じです。日本の石工はいい仕事をしていますね。代々受け継がれた伝統技術が、こうして近代技術に活かされているのはすごいことです。
第1号ドック「旧横浜船渠第1号ドック」について
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他方、第1号ドックのほうは、横浜ランドマークタワーの敷地外に位置し、横浜市が所有・運営する「日本丸メモリアルパーク」(パークへの入場は無料)にて、帆船日本丸の展示ドックとして保存・活用されています。
第1号ドックは注水されプールのような状態にして、その中に帆船日本丸を浮かべ、係留・展示しています。「日本丸展示ドック」と呼ばれています。
さきほどの第2号ドック(ドックヤードガーデン)のほうは水が無い状態で、こちらの第1号ドックは水で満たされた状態。2つを見比べることで、ドックはこういうふうに使うだと理解できます。ドック利用時の2つの状態を見比べることができるのは、いい勉強になります。
ちなみに、日本丸メモリアルパークでは、アイドルのライブやフリーまっけっとなどのイベントが開催されているので、興味のある方は公式サイトのお知らせをチェックしておくといいでしょう。なお、日本丸メモリアルパークには専用の駐車場がありませんので、車で行く場合にはコインパーキングなど駐車場を探す必要があるので注意が必要です。
日本丸メモリアルパークの帆船日本丸について
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帆船日本丸は、1930年に進水した航海練習帆船です。その美しい姿から、「太平洋の白鳥」や「海の貴婦人」などと呼ばれていたそうです。1984年に退役した後、日本丸メモリアルパーク内で浮体展示されています。2017年に重要文化財に指定されています。乗船して中を見学することもできます(大人400円)。
帆船日本丸を見学したレビュー
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帆船日本丸に乗船して中を見学する場合にはチケット売場でチケット(400円)を購入します。帆船は外から眺めるものだとも思いましたが、せっかくなので乗船してみることにしました。
外から見た感じでは小さな船に見えましたが、船内に入ってみると意外に船室も多く、居住スペースも広い船だなと感じました。1930年に進水したというので、建造されてから90年以上になりますが、それほど古さを感じさせない立派な造りになっていました。
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残念ながら帆は張られていませんでしたが、甲板やマストまわりにはロープがいっぱいありました。さすが帆船ですね。ところで意外でしたが、船内には機関室があり、ディーゼルエンジンが設置されていました。帆船だからといって風だけに頼って航海するというわけではないのですね。
ちなみに、帆船日本丸の全ての帆を広げる「総帆展帆」は、年に12回ほど実施されています。興味のある方は、公式サイトより総帆展帆のスケジュールをチェックして訪問されるといいでしょう。
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次にブリッジの操舵室。どの船でもここからの眺めが一番いいですね。恰好いいです。この航海練習帆船で訓練を積んで日本を守る艦艇の航海士へと育っていった人もきっとたくさんいるのでしょう。そう思うと感慨深いものがあります。
日本丸と姉妹船「海王丸」との違い
![姉妹船「海王丸」](https://musashi.mikeneko.site/wp-content/uploads/2025/01/DSC01015.jpg)
日本丸は1930年1月27日に進水、海王丸は同年2月14日に進水しました。建造時期はほぼ同じ、船の形状、両船の全長・幅・総トン数なども若干の違いしかなく、どちらもディーゼルエンジンを装備しています。帆の数も、日本丸が29枚、海王丸も29枚です。日本丸と海王丸との違いはほとんど無く、双子の姉妹船と言っていいでしょう。
海王丸は、富山県射水市の「海王丸パーク」の岸壁に係留・展示されており、帆船日本丸と同様、乗船して中を見学することもできます(大人400円)。
まとめ:横浜みなとみらい「日本丸メモリアルパーク」の帆船日本丸と展示ドックを紹介
本記事では、横浜みなとみらいの「日本丸メモリアルパーク」で展示されている「帆船日本丸」と、その展示ドックとなっている「旧横浜船渠第1号及び第2号ドック」をご紹介しました。
帆船日本丸も旧横浜船渠第1号及び第2号ドックも、日本の近代化に寄与した重要な産業遺産であり、その姿を保存しつつ、現代の生活にうまく活用できているというのは、素晴らしいことだと思います。横浜みなとみらいを訪問する際には、是非お立ち寄りください。
もちろん、帆船日本丸や旧横浜船渠第1号及び第2号ドックの見学とあわせて、日本丸メモリアルパークでのイベントを楽しんだり、横浜みなとみらい地区でショッピングやグルメを楽しむのもおすすめです。