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米空母USSホーネットは、アメリカ海軍のエセックス級航空母艦として、第二次世界大戦中に重要な役割を果たした航空母艦です。現在も米国サンフランシスコ近郊のアラメダで現存・展示されています。ゲーム「艦隊これくしょん(艦これ)」にも実装されている人気の空母なので知っている人も多いでしょう。
この記事では、米空母USSホーネットとは?という基本的な情報から、現在どうなっているか?について詳しく解説します。また、米空母USSホーネットの歴史や、米軍最強空母としての功績についても触れていきます。
更には、筆者が実際に米空母USSホーネットを見学したレビュー記事を紹介し、米空母USSホーネットの見どころや見学情報についても解説しますので、米空母USSホーネットやその見学に興味がある方は、ぜひご覧ください。
- 本記事で説明するポイント
- ・米空母USSホーネットの歴史と担った役割
・米空母USSホーネットの現在の状況と見学方法
・見学レビューで紹介する米空母USSホーネットの見どころ
・米空母USSホーネットの見学料金と見学ツアー情報
米空母USSホーネットの概要

まずここでは、米空母USSホーネットとは?について、米軍最強の空母としての歴史、米空母USSホーネットの役割と功績、米空母USSホーネットの現在の状況などについて解説することで、米空母USSホーネットの概要を紹介します。
USSホーネット博物館(The USS Hornet Museum):公式サイト
米空母USSホーネットとは?
米空母USSホーネット(CV-12)は、アメリカ海軍のエセックス級航空母艦の一つで、第二次世界大戦中に活躍しました。ホーネットは1943年に就役し、太平洋戦争において重要な役割を果たしました。特にレイテ沖海戦や沖縄上陸作戦などの主要な戦闘に参加し、戦艦大和の撃沈時にも支援を行いました。日本とは関係の深い空母です。
実は、本記事でとりあげる米空母「USSホーネット(CV-12)」の先代として、同じ艦名をもつ米空母「USSホーネット(CV-8)」という空母も存在していました。米空母USSホーネット(CV-8)は、アメリカ海軍のヨークタウン級航空母艦の3番艦で1941年に就役。ドーリットル空襲を行ったドーリットル隊の母艦として有名であるが、1942年10月、南太平洋海戦にて日本海軍の攻撃を受けて沈没しています。
第二次世界大戦後も米空母USSホーネットは様々な重要な任務を行い、1970年の退役後、カリフォルニア州アラメダに係留され、博物館として一般公開されています。訪問者は米空母USSホーネットの艦内を見学し、歴史的な展示物や艦載機を間近で見ることができます。
米軍最強の空母としての歴史
米軍の最強空母の歴史は、米空母USSホーネットを含むエセックス級航空母艦から始まります。エセックス級は、第二次世界大戦中に建造された空母の中で最も多くの艦が建造され、戦争の勝利に大きく貢献しました。これらの空母は、優れた航空機運用能力と強力な防御力を備えており、米軍の海上戦力の中核を成していました。第二次世界大戦中はこのエセックス級航空母艦が米軍最強の空母であり、米空母USSホーネットも米軍最強の空母としての歴史をもつ航空母艦です。
戦後、米軍はさらに進化した空母を建造し続け、ニミッツ級やジェラルド・R・フォード級などの最新鋭空母が登場しました。これらの空母は、より多くの航空機を搭載し、最新の技術を駆使しており、現在でも世界最強の海上戦力として君臨しています。このように、米軍の空母は常に進化を続け、米軍最強の空母はその時代で変化し続けていますが、第二次世界大戦期間の一時代においては、米空母USSホーネットも米軍最強の空母としての一翼を担いました。米軍の最強空母の歴史に名を刻んでいます。
米空母USSホーネットの役割と功績

米空母USSホーネットは、アメリカ海軍のエセックス級航空母艦として、第二次世界大戦中に重要な役割を果たしました。例えば、1945年1月3日には高雄沖にて、レイテ島への軍隊輸送・揚陸を成功させ帰路についていた日本陸軍船舶部隊のドック型揚陸艦(陸軍特種船)船団を攻撃。神州丸を大破・炎上させました。その後、2月19日と20日の両日、硫黄島上陸部隊の支援攻撃を行っています。
1945年1月4月1日、米空母USSホーネットから発艦した艦載機は沖縄上陸への直接支援を行います。さらに、4月6日に戦艦大和に対する攻撃を他の艦載機と共同で行い、これを撃沈に導きました。続く二ヶ月にわたって米空母USSホーネットは沖縄上陸部隊への直接支援攻撃と、日本の生産力を奪うための工業地帯への攻撃を継続しました。
このように米空母USSホーネットは第二次世界大戦において攻撃支援の重要な役割を担い、数多くの功績を残しました。その結果、米空母USSホーネットは第二次世界大戦中の戦功で7つの従軍星章を受章、殊勲部隊章を与えられる9隻の空母のうちの一隻となりました。また、日本近海で長期間行動し59回もの日本軍の攻撃にさらされたものの、一度も被弾することがなかった幸運艦でもあります。
また、米空母USSホーネットは、第二次世界大戦後もその役割を果たし続けました。特に注目すべきは、アポロ11号の回収任務です。1969年に人類初の月面着陸を果たしたアポロ11号の宇宙飛行士たちを無事に地球に帰還させるため、米空母USSホーネットは太平洋上で司令船機体の回収作業を行いました。この任務は、米空母USSホーネットの歴史において非常に重要な出来事となっています。
このように、米空母USSホーネットは第二次世界大戦中の戦闘から、平時の宇宙探査支援まで、多岐にわたる役割を果たし、その功績は非常に高く評価されています。
米空母USSホーネットの現在の状況
現在、米空母USSホーネットは現存し展示保存されています。カリフォルニア州アラメダの港に係留され、USSホーネット博物館(The USS Hornet Museum)として一般公開されており、訪問者は艦内を見学し、歴史的な展示物や艦載機を間近で見ることができます。米空母USSホーネットは、戦争の歴史や軍事技術に興味がある方にとって、非常に魅力的な見学スポットとなっています。
米空母USSホーネットへのアクセスは、サンフランシスコ市内から公共交通機関やタクシーを利用することができます。詳細は後述しますが、具体的には、Bart(鉄道)とAC Transitのバスを乗り継ぐ方法や、Uber(タクシー)を利用する方法があります。アクセスはやや不便ですが、その分、観光客で騒がしくならず、訪問者は静かな環境で見学を楽しむことができます。
米空母USSホーネットのアクセス情報と見学レビュー

次に、米空母USSホーネットのある「USSホーネット博物館(The USS Hornet Museum)」へのサンフランシスコ市内からのアクセス方法と、筆者が実際にUSSホーネット博物館を訪問して米空母USSホーネットを見学した際の見学レビューを紹介します。見学レビューでは、米空母USSホーネットの見どころや見学情報についても触れています。
サンフランシスコ市内からのアクセス方法
米空母USSホーネットのある「USSホーネット博物館(The USS Hornet Museum)」の場所は、サンフランシスコ市の東側、サンフランシスコ湾を挟んだ対岸に浮かぶ島からなるアラメダ郡にあります。
USSホーネット博物館の公式サイトを見ると、AC Transit #96(96番バス)のバス停が空母ホーネットから0.8マイル(約1.3km)のところにあるようです。また、サンフランシスコのフィッシャーマンズ・ワーフとアラメダの間を運航するフェリーのフェリー乗り場がUSSホーネット博物館から2マイル(約3.2km)のところにあります。バス停からは徒歩20分ほど、フェリー乗り場からは徒歩40分ほどになるので、公共交通機関を使うのであればバスの一択です。フェリーの利用はあまり現実的ではありません。米空母USSホーネットは「博物館」としての観光施設になっているとはいえ、それほど人気の観光スポットでもないので、アクセスが不便なのも仕方ないのでしょうか。
96番バスを利用する場合のルートは以下の地図のとおりです。まず、サンフランシスコ側からBart(鉄道)に乗車し「12th St/Oakland City Center」駅で下車します。たとえばサンフランシスコの「Civic Center」駅からだと乗車時間はだいたい15分程度。運賃はClipper Card(Suicaのような交通系ICカード)で大人4.25ドルです。
「12th St/Oakland City Center」駅から200mほどのところにバス停「11th St & Broadway 」がありますので、96番バスに乗車し13個目の「Central Av & Pacific Av」で下車(乗車時間は15分くらい)。バスの運賃はClipper Cardなら大人2.25ドルです。「Central Av & Pacific Av」バス停からUSSホーネット博物館までは徒歩20分くらいです。
もう一つの方法として、さきほどのBartの最寄り駅「12th St/Oakland City Center」からタクシー(Uber)に乗るというのがあります。ちょっとお金がかかりますが、歩くのが嫌だったので筆者はこの方法を選択しました。ちなみに、流しのタクシーではなくUberを使いました。そのほうがボラれることもないので安心です。
特に、USSホーネット博物館から駅に帰る場合、流しのタクシーをつかまえることは絶望的だと思ってください。USSホーネット博物館の周囲は人も歩いていないような寂しい埠頭です。近くに走っている車などほぼ見当たりませんのでタクシーならUberの一択です。ちなみに、Uberでの料金は片道35ドルくらいでした。
米空母USSホーネットの見学レビュー
続いて、筆者が実際にUSSホーネット博物館を訪問し、米空母USSホーネットを見学したときの見学レビューを紹介します。米空母USSホーネットの見どころや見学情報などについてもレビュー記事の中でご紹介します。
USSホーネット博物館へ到着

Uberを利用してUSSホーネット博物館のある埠頭に到着すると、岸壁に係留された巨大な米空母USSホーネットの姿が目に入ります。かなりの存在感ですので、遠くからでもすぐわかります。まずは米空母USSホーネットを外観からじっくりと眺めながら、桟橋を進んで艦の横にあるタラップを目指します。ここが米空母USSホーネットに乗艦する入口、つまりUSSホーネット博物館の入館入口です。
入場料を払って入館

タラップを登って乗艦すると、すぐのところに博物館受付があります。こで入場料(大人25ドル)を支払って入館します。入場料は公式サイトからもオンラインチケットで購入可能ですが、オンラインで購入したからと言って値段が割引されるわけではないので、あまり利用するメリットはないかもしれません。
なお、退役軍人さんなどがガイドをする見学ツアーに参加したい場合は、公式サイトから見学ツアーのスケジュールを確認して予めツアーチケットを予約購入しておくといいでしょう。見学ツアーの料金は入場料とは別に大人12ドルかかります(見学ツアーの所要時間は45分から60分くらいです。)。
ちなみに、筆者が訪問した時は、たまたま見学ツアーが無料でしたので参加しました。もちろん英語だけの解説でしたが、英語が苦手な筆者でも結構楽しめました。英語はちょっと気が重いなと思う人は、見学ツアーには参加せずに、自由見学でも全然OKです。
見学ツアーを開始

博物館受付から艦内に入った場所は、ちょうど艦載機の格納庫になっており、体育館何個分もありそうな広いスペースに、艦載機がいくつか展示されていました。格納庫の端には艦載機用の巨大なエレベーターがあり、その隣に米空母USSホーネットを紹介するビデオ上映しているスペースがありました。そこでビデを見て少し待つように言われました。

ビデオを10分くらい見ているうちに見学ツアー参加者が集まったところで、ガイドのおじいさん(米空母USSホーネットの元乗組員)がやってきて「ツアーに出発しましょう!」と、見学者を引き連れて艦内の見学ツアーに出発しました。なお、見学ツアーに参加しない人は、ここで待たずに自分で勝手に見学していました。
ガイドの説明を聞きながら艦内を見学

まず艦底部分に位置する居住スペースに降りて、そこから上のデッキに向かって順番にまわり、甲板に出て、艦橋(ブリッジ)へと進むというルートでした。居住スペースのベッドはかなり狭いものでした。大きな体格のアメリカ人にとっては窮屈そうです。

上の写真は高射砲でしょうか。ガイドさんがご自身の体験談を交えながら面白そうな話をして説明してくれているようでしたが、私には十分に理解できる英語力がなく、20%くらいしか理解できなかったことが残念でした。でも、その20%は貴重なものでした。

上の写真は艦橋(ブリッジ)で説明をするガイドさん。ガイドさんが私に「日本人か?どこから来たのか?」と聞いてきたので、「東京から来た」と言うと、そのガイドさんは「横須賀には米空母USSホーネットに乗って寄港したことがあるよ」と嬉しそうに言っていました。

艦橋(ブリッジ)からの眺めはいいですね。米空母USSホーネットでの見どころのひとつです。見学ツアーでは、解説や質疑応答に時間がかかったせいで思ったより進行が遅く、予定の1時間がかかってもまだ終わりそうにありませんでした。見学ツアーの参加者にも退役軍人のおじいさんがいて、退役軍人どうしで話が盛り上がってしまっていたようです。旅行のスケジュールもあったので、私はここでグループを離脱することにしました。
自由見学に切り替えて見学続行

自由見学に切り替えて飛行甲板にやってきました。ほうんとうに小さな飛行場といった感じです。なかなか体験できない航空母艦らしさを味わえます。この飛行甲板も米空母USSホーネットでの見どころのひとつです。

飛行甲板には座って休めるベンチもありました。旧日本帝国海軍の赤城や加賀でもこういった風景があったんだなあと、思いを馳せます。

最後は出口付近にあるアポロ11号の司令船の模型でしょうか?これを見て艦内の見学を終了しました。下艦してからも米空母USSホーネットの周囲をいろいろな角度から眺めましたが、やはり軍艦は外から見るシルエットが一番格好いいですね。外からの眺めも米空母USSホーネットでの最大の見どころと言えます。
まとめ:米空母「USSホーネット」の見どころとアクセスガイド
本記事の内容をまとめると次のとおりです。
- 米空母USSホーネットはアメリカ海軍のエセックス級航空母艦である
- 1943年に就役し、第二次世界大戦中に活躍した
- レイテ沖海戦や沖縄上陸作戦に参加し、戦艦大和の撃沈時に支援を行った
- 戦後はアポロ11号の回収任務を担当した
- 現在はカリフォルニア州アラメダに係留され、博物館として一般公開されている
- 訪問者は米空母USSホーネットの艦内を見学できる
- 米空母USSホーネットの艦内には歴史的な展示物や艦載機が展示されている
- サンフランシスコから公共交通機関でアクセス可能である
- BARTとAC Transitのバスを利用する方法がある
- タクシーやUberを利用することもできる
- 入場料は大人25ドルで艦内を自由に見学できる
- 見学ツアーに参加することも可能で、追加料金は大人12ドルである
- 見学ツアーに参加するにはスケジュールを確認して事前予約がおすすめである
いかがでしたでしょうか?米空母USSホーネットは、軍艦や戦争の歴史に関心のある方ならきっと満足いただけると思います。アクセスはあまり便利ではありませんが、それほど難易度が高いものではなく、また治安の悪い場所でもなさそうです。サンフランシスコ市内からもそう遠くありませんので、サンフランシスコへ行かれた際には是非立ち寄ってみてください。