広告

横須賀にある旧横須賀鎮守府跡地は、歴史と現代が融合した魅力的な観光スポットです。明治初期から旧日本海軍の重要な拠点として発展してきた横須賀鎮守府は、現在もその歴史的な場所や跡地を訪れることができます。
この記事では、横須賀鎮守府の観光として、旧横須賀鎮守府にまつわる建物や遺構を巡る方法、そして観光クルーズ「YOKOSUKA軍港めぐり」により海から横須賀鎮守府を体感する方法について詳しく紹介します。また、旧横須賀鎮守府跡地のある横須賀へのアクセス情報も提供し、初めて訪れる方でもスムーズに横須賀鎮守府の観光を楽しめるようサポートします。横須賀鎮守府の観光を計画している方は、ぜひ参考にしてください。
- 本記事で説明するポイント
- • 横須賀鎮守府の歴史と跡地について
• 現在の横須賀鎮守府の姿と見学可能な施設や遺構の情報
• 横須賀鎮守府を海から体感する「YOKOSUKA軍港めぐり」の楽しみ方
• 旧横須賀鎮守府跡地のある横須賀へのアクセス情報
横須賀鎮守府の観光で訪れるべきスポット

ここではまず、横須賀鎮守府の歴史と跡地、その現在の姿について言及し、旧横須賀鎮守府にまつわる施設や遺構のうち見学が可能なものや一般公開されるものについて詳しく解説します。
横須賀鎮守府の歴史と跡地

横須賀鎮守府は、神奈川県横須賀市に所在した大日本帝国海軍の鎮守府です。鎮守府とは、今でいう海軍基地のような施設を意味する言葉で、横須賀鎮守府とは「大日本帝国海軍の横須賀基地」といったニュアンスです。1876年(明治9年)に横須賀鎮守府の前身となる「東海鎮守府」が横浜に設置。1884年(明治17年)、東海鎮守府が横須賀に移転されて「横須賀鎮守府」と改称されました。
そして、明治時代には、横須賀鎮守府は日本の近代化を支える重要な役割を果たしました。特に、横須賀製鉄所や横須賀海軍造船所などの施設が設立され、ここで多くの艦船が建造されました。これにより、横須賀は日本の海軍力の中心地となりました。
しかし、1945年(昭和20年)の第二次大戦後には、横須賀鎮守府は連合軍に接収されて廃止となり、その港と施設の大部分は米海軍横須賀基地に引き継がれました。その後、海上自衛隊が発足すると、横須賀鎮守府の港と施設のうち3割程度が米海軍横須賀基地から防衛庁に移管されて海上自衛隊横須賀基地となり現在に至っています。
横須賀鎮守府の現在の姿

上でも紹介したとおり、現在、旧横須賀鎮守府にあった港や施設の大部分は米海軍横須賀基地と海上自衛隊横須賀基地に引き継がれましたが、実際に現存し保存されている歴史的建造物や遺構は以下のものが知られています。これらは日本の近代建築の技術を示す貴重な遺産でもあります。
旧横須賀鎮守府庁舎
大正15年に建設された鉄骨造の庁舎で、日本最初の耐震建築です。現在は米海軍が使用していますが、外観は保存されています。(米海軍横須賀基地C1建物)
旧横須賀鎮守府会議所・横須賀海軍艦船部庁舎
昭和9年に建設された鉄骨造2階建ての庁舎で、装飾性に富んだ建築です。現在も米海軍が使用しています。(米海軍横須賀基地C2建物)
旧横須賀海軍工廠庁舎
昭和2年に建設された耐震建築で、関東大震災からの震災復興の象徴です。(米海軍横須賀基地B39建物)
横須賀製鉄所(横須賀造船所)
フランスの技術者であるフランソワ・レオンス・ヴェルニーの協力により、幕府は造船所などの施設である「横須賀製鉄所」を建設する計画を立て、慶応元(1865)年に起工式を執り行いました。そして明治4(1871)年に日本初となる石造りのドライドック「第1号ドック」が完成し、名称も横須賀製鉄所から横須賀造船所に変わります。その後、第2号ドックから第6号ドックまで完成し、これらは現在でも在日米海軍横須賀基地内で稼動しています。(米海軍横須賀基地内 第1~6号ドック)
旧横須賀鎮守府司令長官官舎
大正2年に建設された洋館と和館からなる建物で、東京湾を一望できる丘の上にあります。(海上自衛隊横須賀基地 田戸台分庁舎)
逸見波止場衛門
昭和4年から5年頃に建設された旧横須賀軍港逸見門の衛兵詰所で、現在はヴェルニー公園内に保存されています。
横須賀鎮守府の跡地を訪れることで、日本の近代化と海軍の歴史を学ぶことができ、歴史的な建物や遺構を巡ることで、当時の雰囲気を感じることができます。
横須賀鎮守府の見学と一般公開

上で紹介した横須賀鎮守府の建造物や遺構のうち、見学することができるものもあります。例えば、上の写真にある逸見波止場衛門の衛兵詰所は、ヴェルニー公園内に保存されており、いつでも自由に見学することができます。入場料もかかりません。
逸見波止場衛門の衛兵詰所は左右2棟あり、左側は「逸見上陸場」、右側は「軍港逸見門」と表示されています。高さ約4m、屋根は銅板ぶきドーム型、本体は八角形の鉄筋コンクリート造りで、外壁はタイル張りです。建築年代は昭和4年から5年ごろと推定され、当時の珍しい建築物の面影があります。

また、上の写真にある旧横須賀鎮守府司令長官官舎(海上自衛隊横須賀基地 田戸台分庁舎)は海上自衛隊横須賀基地の敷地内にあり、通常は見学することができませんが、「秋の一般公開」として毎年11月の土日に見学することが可能です。興味のある人は公式サイトを確認してみてください。
米海軍横須賀基地内の施設を見学できるツアーとして、「日米親善ベース歴史ツアー」が年に数回開催されています。このツアーは、JR横須賀駅で受付し、ヴェルニー公園内を徒歩で見学した後、バスに乗車して、米海軍横須賀基地入門、旧横須賀鎮守府庁舎で下車して見学、兵曹長クラブ前で下車して見学、横須賀製鉄所のドライドック1~3号で下車して見学、小海岸壁で下車して見学、ドライドック6号を車窓から見学し、フードコートで下車して昼食、その後、コサノパークで米兵さんとコミュニケーションタイムがあり、基地退場して、いちごよこすかポートマーケットで下車してショッピング、そして京急横須賀中央駅付近またはJR横須賀駅で解散というスケジュールです。
全行程所要時間が約5時間30分(うち基地内で約3時間30分)という充実したツアーで、旧横須賀鎮守府庁舎や横須賀製鉄所など横須賀鎮守府にまつわる施設や遺構などを見学することができます。ただし、参加人数は限定されており抽選制、料金は一人5,000円です。興味のある人は横須賀市観光協会の公式サイトで確認してみてください(「日米親善ベース歴史ツアー」で検索)。
「YOKOSUKA軍港めぐり」で横須賀鎮守府を観光

横須賀鎮守府の観光は歴史的建物や遺構めぐりだけではありません。ここでは、クルーズ船に乗って、米海軍横須賀基地や海上自衛隊横須賀基地などを海から眺め、軍港としての在りし日の横須賀鎮守府の姿に思いを馳せることができる「YOKOSUKA軍港めぐり」をご紹介したあと、横須賀鎮守府にまつわるその他の観光スポットとして、ドブ板通り、ヴェルニー公園、三笠公園などもあわせて紹介します。
YOKOSUKA軍港めぐり:公式サイト
「YOKOSUKA軍港めぐり」の楽しみ方

「YOKOSUKA軍港めぐり」は、軍港としての横須賀鎮守府を海から見学してその歴史を感じ、現代の日米軍事力をも体感できるユニークなクルーズツアーです。このツアーでは、米海軍と海上自衛隊の艦船を間近に見ることができるとともに、同乗するガイドの解説により歴史的な背景や現代の軍事技術について学ぶことができます。「YOKOSUKA軍港めぐり」の受付場所は、コースカベイサイドストアーズの2階にある汐入ターミナルです。
まず、コースカベイサイドストアーズの隣にある汐入桟橋からクルーズ船に乗船して出発します。横須賀本港から吾妻島をまわり、新井堀割水路を通って汐入桟橋に戻る約45分間のクルーズです。多くの艦船や港の風景を楽しむことができます。特に、米海軍の大型空母や海上自衛隊の護衛艦など、そして米海軍基地の様子など、普段は見ることができない艦船や施設を間近で見ることができるのは、このツアーの大きな魅力です。

また、ツアーガイドが歴史や艦船の解説を行うため、初めて訪れる方でも理解しやすくなっています。さらに、季節やイベントに応じて特別なクルーズも開催されることがありますので、訪問前に公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
「YOKOSUKA軍港めぐり」は、歴史と現代の軍事力を同時に楽しむことができる貴重な体験です。家族連れや歴史好きの方に特におすすめの観光スポットです。チケットの予約は公式サイトにて可能です。当日に空席があれば、コースカベイサイドストアーズの2階にある汐入ターミナルでチケットを購入することも可能です。毎日5~7便が運行、料金は大人一人2,000円(土日祝)・1,800円(平日)です。
横須賀鎮守府にまつわるその他の観光スポット

では続いて、横須賀鎮守府にまつわるその他の観光スポットを紹介します。ちなみに、上の写真は、横須賀鎮守府での観光のスタート地点となるJR横須賀駅です。昔の面影を残したレトロな駅舎は横須賀鎮守府が現役であった1940年に建てられたそうです。横須賀鎮守府の時代には、日本海軍の軍人さんをはじめ多くの人がこの駅舎を利用していたのでしょう。
ヴェルニー公園と戦艦陸奥の主砲

JR横須賀駅を出て、道路を渡るとそこがヴェルニー公園です。ここはヴェルニー公園の西の端となります。まずはヴェルニー公園の西の端にあるヴェルニー記念館(入場無料)に行ってみます。

この記念館には、フランスの技術者であるフランソワ・レオンス・ヴェルニーの業績を紹介するパネル等が展示されています。上でも触れましたが、ヴェルニーは、幕末の1865年から明治に入った1876年にかけて横須賀造兵廠、横須賀製鉄所のドックや灯台、その他の近代施設の建設を指導し、日本の近代化を支援しました。横須賀鎮守府を技術面で支えた人であると言えます。言うまでもなく、ヴェルニー公園やヴェルニー記念館は、このヴェルニーの功績を記念してのものです。

ところで、この記念館で必見なのが、下の写真にある3トンと0.5トンの鍛造・圧延用蒸気ハンマー(スチームハンマー)です。

これらはオランダで製作され、旧横須賀製鉄所で使用されていたもので、国の重要文化財に指定されています。旧日本海軍の艦艇を建造するのに大活躍したのでしょう。

そして、ヴェルニー記念館を出ると、巨大な砲身が展示されています。戦艦陸奥の41cm主砲です。

戦艦陸奥は横須賀鎮守府で建造され、この主砲は1936年の大改修で戦艦陸奥に搭載されたものだそうです。以前は東京のお台場にある「船の科学館」の屋外で展示されていましたが、2016年にヴェルニー公園に移設され、生まれ故郷の横須賀に「里帰り」となったものです。

下の台座には「戦艦陸奥主砲」と刻まれてあり、説明書きがあります。

戦艦陸奥の主砲から少し進むと、何やら不思議な一対の建築物があります。これは上でも紹介した横須賀鎮守府の遺構のひとつである逸見波止場衛門の衛兵詰所です。この場所が横須賀鎮守府の出入口となっていたようです。

逸見波止場衛門の衛兵詰所は小さな建造物ですが、しっかりとした鉄筋コンクリート造で、日本遺産にも指定されています。逸見波止場衛門から港を眺める風景は、きっと横須賀鎮守府の時代もこんな感じだったのかと思いを馳せることができます。

ヴェルニー公園は港に海に面しており、海に向かって左手方向には海上自衛隊の横須賀基地の吉倉桟橋があり、ここに停泊している護衛艦が良く見えます。上の写真の左側は「いずも」ですが、横須賀鎮守府の時代は、旧日本海軍の空母がこんな感じで停泊していたのかもしれません。

ヴェルニー公園から海に向かって真正面には、米海軍基地の施設になっている横須賀製鉄所の第1~3号ドックがあります。位置的には上の写真で潜水艦の後ろ側あたりに第1~3号ドックがあるようですが、残念ながらあまりよくは見えません。
海軍の門前町「ドブ板通り」

ドブ板通りは、京急汐入駅から徒歩3分のところにある全長約300メートルの商店街です。横須賀鎮守府の時代、もともとは道の中央にどぶ川が流れており、これが通行の妨げになっていたため、横須賀海軍工廠から提供された鉄板で川に蓋をしたことから「ドブ板通り」と呼ばれるようになりました。
このドブ板通りは、戦前には横須賀鎮守府の門前町として栄えました。戦後はアメリカ海軍の兵士向けのショップや飲食店が立ち並び、異国情緒あふれる雰囲気を持つようになり、特にスカジャンの発祥地としても有名で、現在も多くの観光客が訪れる人気スポットです。どぶ板通りには、週末にフリーマーケットやストリートライブが開催されるなど、さまざまなイベントも行われています。

今では、いかにもアメリカといった街並みですが、米海軍関係の商品などもあり、海軍さんの街といった意味では、横須賀鎮守府の流れを受け継いでいるとも言えます。

また、スカジャンのお店以外にも、「ネイビーバーガー」や「海軍カレー」など、横須賀の名物グルメを楽しめるスポットとなっています。もしかすると「海軍カレー」のお店は横須賀鎮守府の時代からあったかもしれません。

ときどき非番の米軍水兵さんに出会いました。海軍さんの街です。

下の写真は「延命地蔵尊」。このドブ板通り商店街に延命地蔵が祭られたのは、1923年(大正12年)の関東大震災の後だそうです。ここは横須賀鎮守府時代から変わらぬ光景です。

私は「ドブ板通り」にある「ALFRED(アルフレッド)」というお店でお昼を食べました。

「海軍カレー」は売り切れとのことで、「ネイビーバーガー」を注文しました。

かなりのボリューム。お肉はたっぷり入っています。量も味も満足でした。

お客さんは非番の米軍水兵さんが多かったです。
三笠公園の戦艦三笠
ヴェルニー公園の東の端から出て、「イオン横須賀店」の前を通り、大きな道路(国道16号線)に沿って東に進み、「三笠公園」を目指します。ヴェルニー公園から三笠公園までは、1.5kmくらいで、徒歩20分ほどかかります。米軍横須賀基地の前を端から端まで横切るようなルートとなります。ちょっと遠いです。途中で、下の写真にある米軍横須賀基地のゲート前を横切ります。セキュリティが物々しいですね。

米軍横須賀基地の敷地は、戦前は横須賀鎮守府の一部だったというのですから、横須賀鎮守府の規模のすごさが窺えます。途中「三笠公園入口」という交差点で左に曲がり、米軍横須賀基地の別のゲート前を通って道路沿いに進むと三笠公園に到着です。
三笠公園での見どころは「戦艦三笠」です。「戦艦三笠」が記念館としてこの横須賀で保存されたのは、かなり昔のことのようです。1921年のワシントン軍縮条約により三笠の廃艦が決まった後、国民から愛された三笠に対する保存運動が勃興し、1925年(大正14年)に記念艦として横須賀に保存することになりました。つまり横須賀鎮守府の時代にも今と同じ風景で「戦艦三笠」が三笠公園の場所にあったということです。
戦艦三笠についての詳細は別の記事で詳しく紹介しています。興味のある方はこちらの記事も読んでみてください。
横須賀鎮守府のアクセス情報

横須賀鎮守府跡地のある横須賀へのアクセスは非常に便利です。公共交通機関を利用する場合、ヴェルニー公園、コースカ ベイサイド ストアーズ、ドブ板通りなどは、京浜急行線の汐入駅やJR横須賀駅からが便利です。三笠公園には京浜急行線の横須賀中央駅のほうが便利です。
車で訪れる場合は、横浜横須賀道路の「横須賀I.C」から県道28号線を利用して渋滞がなければ約5分で到着します。周辺には有料駐車場も多数ありますので、車でのアクセスも問題ありません。特に、コースカ ベイサイド ストアーズやヴェルニー公園の駐車場が便利です。
横須賀鎮守府へのアクセスは非常に良好で、公共交通機関や車を利用して簡単に訪れることができます。観光を計画する際には、事前にアクセス方法を確認しておくとスムーズに移動できるでしょう。
まとめ:横須賀鎮守府の観光で訪れるべきスポットと「YOKOSUKA軍港めぐり」

本記事の内容をまとめると次のとおりです。
• 横須賀鎮守府は1865年に設立された旧大日本帝国海軍の基地である
• 横須賀鎮守府は日本の近代化を支える重要な役割を果たした
• 横須賀鎮守府内には横須賀製鉄所が設立され多くの艦船が建造された
• 横須賀は日本の海軍力の中心地となった
• 旧横須賀鎮守府庁舎や旧横須賀海軍工廠庁舎まどが現在も残っている
• 横須賀鎮守府の跡地には歴史的建造物や遺構が多い
• 海上自衛隊横須賀地方総監部として使用されている建物もある
• 旧横須賀鎮守府司令長官官舎は一般公開される日がある
• 「YOKOSUKA軍港めぐり」で米海軍や海上自衛隊の艦船を見学できる
• 横須賀鎮守府は歴史と現代が融合した観光スポットである
• 横須賀鎮守府を体感できる観光スポットとして、ヴェルニー公園、ドブ板通り、三笠公園などもある
• 横須賀鎮守府跡地のある横須賀へのアクセスは公共交通機関や車で便利である